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外科矯正治療の一時休止について
平素より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
現在、当院では外科矯正治療を一時的に休止しております。再開時期については、準備が整い次第、改めてホームページにてお知らせいたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
Surgical外科手術と矯正歯科治療を併用する、
外科的矯正歯科治療
外科矯正とは外科手術と矯正歯科治療を組み合わせて行う矯正歯科治療の事です。上下の顎が骨格的にずれていたり、顎の骨自体が曲がっていたりする場合、通常の矯正歯科治療だけでは難しいケースがあり、矯正装置で歯列を動かすだけでなく、外科手術で骨格から改善する必要があります。
このページでは長崎のすずき矯正歯科における外科的矯正歯科治療についてご説明いたします。
一般的な矯正歯科治療との違い
- 外科的矯正歯科治療を受けられるのは、国から指定を受けた医療機関に限られます
- 外科手術で骨格を整え、矯正歯科治療を行います
- 外科手術と矯正歯科治療のいずれの処置も保険診療で行えます
Surgical外科的矯正歯科治療について
「顔がゆがんでいる」「顎が出っ張っている」「顎の骨格が変形している」などの際、歯並びを整えるための矯正歯科治療と外科手術を併用して行うのが外科的矯正歯科治療です。この治療は大学病院などの施設や同等の設備を整えている特定の医療機関で行うことができます。そして手術や矯正治療にも健康保険が適用されます。
「すずき矯正歯科」の外科矯正
当院の外科矯正では、患者様の症状に合わせて立案した治療プランをもとに、大学病院の形成外科やその他の病院形成外科とともに連携して外科的矯正歯科治療を総合的に進めています。いわゆる「受け口・しゃくれ」と呼ばれる症状の方や鏡で見た時に顔が歪んでみえる方は、まずは当院へご相談ください。
外科矯正のメリットとデメリットは?
通常の矯正では治らないような難しい症例でも治療できるのが一番のメリットです。大きな治療効果を期待できる上、きれいな口元や横顔のラインにすることができ、コンプレックスの解消にも繋がります。条件を満たして保険が適用されれば、治療費が低く抑えることもできます。
デメリットとしてあげられるのは、全身麻酔での手術が必要になり、1~2週間入院しなければならない点です。また、術後に麻痺やしびれがでたり、鼻が変形したりする場合もあり、回復に1ヶ月半から半年くらいかかることもあります。手術対応できる病院が大学病院や専門的な歯科医院に限られ、術前は検査のために通院も必要になるので、遠方だと通院が負担になることも考えられます。
外科矯正ですっきりしたフェイスラインに
歯を動かして歯並びを整えることで、顎の骨格が変わり、それに伴ってお口や顎の周りの筋肉の動きにも変化が表れます。正しい歯並びになれば、筋肉も正しく動くようになるので自然にフェイスラインもすっきりしていくのです。
抜歯すると歯を支えていた骨が痩せていきますが、一番外側に位置する親知らずを抜くとその周りの歯がやせて、フェイスラインがすっきり見えるようです。ただ、親知らずを抜くのはトラブルがある場合やトラブルを招くリスクがある場合のみで、フェイスラインをすっきりさせるために親知らずを抜くことはあまりありません。
- Step 1術前矯正
- 外科手術後にきちんと噛めるように術前矯正を行います。術前矯正の期間は治療計画や不正咬合の症状によって異なりますが、1~2年ほどが目安です。月1回程度通院していただきます。歯の模型で手術後の咬み合わせをシミュレーションしながら歯を移動させていきます。
- Step 2手術・入院
- 顎の骨を切り、正しい位置に移動させて固定します。メスを入れるのは口の中からですので、顔に傷が残る心配はありません。もちろん全身麻酔をして外科手術を行いますので、眠っている間に終わります。
- Step 3経過観察
- 術後しばらくは顔が腫れますが、時間の経過とともに治まります。顎の骨を安定させるため、術後1~2ヶ月は注意深い経過観察が必要です。
- Step 4外科手術後の歯列矯正
- 術後の顎の位置で歯列矯正を行います。顎の骨の強度が回復するまでには半年~1年ほどかかるので、その間は歯列矯正を続けて歯並びや咬み合わせを整えます。
- Step 5経過観察
- 歯列矯正後は、歯が移動しないように注意深く経過観察します。
外科矯正の治療費用はどのくらいかかるの?
外科矯正は、保険が適用される場合と保険適用外の場合に分かれます。
以下、保険が適用される場合の費用の目安をご紹介します。
外科的矯正歯科治療費、術前・術後の矯正歯科治療費、入院費等などは、保険治療のため年収によって変わってきます。治療費の目安は、一般的な年収であれば約30万~50万円です。
「1ヶ月のうちに同じ病院に80,100円以上の医療費を支払っている」「国民健康保険または社会保険に加入している」「治療を受けた本人が申請する」という条件をすべて満たせば高額療養費制度を利用することができ、80,100円以上の治療費が戻ってきます。適用される場合が多いので、外科矯正を受ける場合は申請するようにしましょう。
症例案内
外科矯正(保険) K様 骨格が原因で受け口・しゃくれと呼ばれるような症状(反対咬合)
年齢 | 20代男性 |
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治療期間と通院回数 | 2年5か月/29回 |
主訴 | 反対咬合 |
診断名 | 顎変型症(骨格性下顎前突 骨格性顔面非対称) |
主な治療装置 | マルチブラケットシステム |
抜歯部位 | 非抜歯 |
リスクについて | 下顎前歯の歯肉が薄いため、下顎前歯の歯肉退縮が起こるリスクがある。 |
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治療前
前歯の中心がずれていて、奥歯が噛み合っていない状態です。
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治療後
きれいに噛み合っています。
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治療前
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治療後
この症例の解説
骨格性反対咬合の患者様で前歯の中心がずれ、きちんと噛み合っていません。
奥歯も咬み合わせがずれています。
咀嚼(そしゃく)の際は顎を横にずらして噛んでいました。
歯がデコボコに並んでいましたが、非抜歯による矯正歯科治療と外科手術で治療しました。
術後は咬み合わせだけでなく横顔や口元もとてもきれいになりました。
外科矯正(保険) F様
年齢 | 10代女性 |
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治療期間と通院回数 | 2年5か月/29回 |
主訴 | しゃくれている |
診断名 | 顎変型症(骨格性下顎前突) |
主な治療装置 | マルチブラケットシステム |
抜歯部位 | 上顎両側第一小臼歯 |
リスクについて | 下顎前歯の歯肉退縮及び上顎前歯の歯根吸収が起こるリスクがある。 |
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治療前
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手術直前
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治療後
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治療前
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治療後
この症例の解説
一見、上下の咬み合わせには問題がなさそうですが、レントゲン写真分析の結果、上顎の前歯は前方に、下顎の前歯は内側に倒れていることがわかりました。口腔内写真でも下顎の前歯の歯根部分が歯肉から浮き出ています。
そこでまず、前方に傾斜していた上顎の前歯と、内側に傾斜していた下顎の前歯を適切な位置に移動させました。治療途中の写真をご覧ください。この患者様のもともとの上下顎の前後の位置関係は、このように反対咬合です。さらに治療をすることで上下前歯は適切な傾斜になり、患者様が気にされていた横顔もとてもきれいになりました。
外科矯正(保険) N様 顎がないように見える(アデノイド顔貌)
年齢 | 10代女性 |
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治療期間と通院回数 | 3年2か月/38回 |
主訴 | 咬めない 顎がない |
診断名 | 顎変型症(骨格性上顎前突症 小下顎症) |
主な治療装置 | マルチブラケットシステム |
抜歯部位 | 下顎両側第一小臼歯抜歯(上顎両側第一小臼歯は前医にて抜歯済) |
リスクについて | 下顎右側犬歯の歯肉退縮が起こるリスクがある。 |
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治療前
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治療後
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治療前
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治療後
この症例の解説
他院での矯正歯科治療後に再治療を希望されて来院された患者様です。
顎がないように見える横顔を気にされていました。
また矯正歯科治療だけでは咬み合わせが整わなかったので、外科矯正にて治療をしました。手術後はとても腫れてしまい入院中はつらかったことと思いますが、がんばってくれました。結果はご覧の通り、咬み合わせも横顔も整いとても満足のいく結果となりました。
外科矯正(保険) Y様 骨格が原因の出っ歯(上顎前突)
年齢 | 20代女性 |
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治療期間と通院回数 | 3年3か月/39回 |
主訴 | 前歯で咬めない 出っ歯 口が閉じにくい |
診断名 | 顎変型症(骨格性上顎前突) |
主な治療装置 | マルチブラケットシステム |
抜歯部位 | 上下顎両側第一小臼歯抜歯 |
リスクについて | 下顎前歯部のデコボコが大きく、初診時から歯肉退縮が認められる。下顎前歯の歯肉退縮及び、上顎前歯の歯根吸収のリスクがある。 |
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治療前
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治療後
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治療前
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治療後
この症例の解説
骨格性の上顎前突の患者様です。
上顎前突といっても上顎が前方に出ているのではなく、下顎が後ろに下がっています。
初診のときから矯正歯科治療だけでは大きな改善は望めないと診断し、外科的矯正歯科治療を行いました。
「出っ歯」の咬み合わせはもちろん、横顔もきれいに改善しました。
外科矯正のリスクについて
- 術前矯正の治療期間は症例ごとに事前にご説明しますが、場合によって術前矯正治療期間が伸びる可能性があります。
- 手術において入院期間は概ね1週間程度であるが、感染などが起きた場合には入院期間の延長があります。
- 手術において術後の顔貌は事前に形成外科専門医と協議し、もっとも良いと思われるプランを提示するが、必ずしもプラン通りにいかないことがあります。
- 全身麻酔における一般的なリスクがあります。
- 術後、ある程度の後戻りが予想されます。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等がありますが、数日間~1,2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差がありますので、予想された治療期間が延長する可能性がございます。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要です。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもございます。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがございます。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがございます。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがございます。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがございます。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがございます。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性がございます。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性がございます。
- 矯正装置を誤飲する可能性がございます。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性がございます。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性がございます。
- あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性が高くなります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性がございます。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがありますので、その場合、再治療等が必要になることがございます。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは困難になります。